白い部屋

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救うか、壊すか - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

救うか、壊すか
2012/6/17
パウロ・コエーリョ

ニューヨークでのこと。私はかなり珍しいアーティストと、遅い午後のお茶を飲もうとしている。彼女はウォール街の銀行で働いているのだが、ある日夢を見た。それによれば、彼女は世界の12の場所に行き、それぞれの場所で自然の素材を使って絵か彫刻を作らなくてはならないのだ。

これまで、彼女はそのうち4つの作品を作り終えることができた。そのうちのひとつの写真を私に見せてくれる。それは、カリフォルニアにある洞窟の内側に彫られたインディアンだ。彼女は、夢のサインを待ちながら銀行での仕事を続けている。そのようにして、旅行するためのお金を貯め、任務を果たすのだ。

なぜこのことをやるのか、私は彼女に尋ねる。
「地球の釣り合いを保つため。」
と彼女は答える。
「ばかげているように見えるかもしれないけど、私たち全員を結びつけ、私たちの行動ひとつで良くなったり悪くなったりする危ういものがあるの。時にはまったく役に立たないように見える単純な行為によって、私たちはたくさんのものを救ったり壊したりできるの。」

「私の夢はまったく無意味かもしれないけど、それに従わないというリスクを、私は冒したくないの。私にとって、人々は巨大で壊れやすい蜘蛛の巣のように関わり合っている。私は作品を通して、その網の一部を修繕しようとしているの。」

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