白い部屋

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完全な孤独 その2 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

完全な孤独 その2
2009/2/6
パウロ・コエーリョ

私は想像し始める。この瞬間、何百万の人が、どれほど金持ちで、魅力的で、魅惑的でも関係なく、完全に役立たずで惨めだと感じているのだろう?今夜、彼らは完全に孤独で、昨夜もそうであり、明日も同じように孤独かもしれないのだ。

今夜一緒に外出する相手を見つけられなかった若者、救済の最後の望みであるかのようにテレビの前に座っている高齢者、ホテルの部屋で自分のやることにそれだけの価値があるのかどうか疑問に思っているビジネスマン。彼らがこの瞬間に感じるのは全くの孤独であると言う絶望だけなのだから。

夕食中に誰かが言ったコメントを思い出す。:最近、離婚した人がこう言った。「今、私はいつも夢見ていた自由を全て手にしている。」それは嘘だ。その類の自由は誰も望んでいない。私たちは皆、誓約と、そばにいてジュネーヴの美しさを見、人生の見方を議論したり、サンドウィッチを分け合うだけでもいい、そんな相手を望んでいるのだ。

一緒に分け合う相手がいなくてサンドウィッチを全部食べるより、ちょっとの量でも半分食べるほうが良いのだ。孤独より空腹の方がましなのだ。なぜなら一人の時(選択したのでない孤独、受け入れざるを得ない孤独のことを話している。)、それは、もはや人類に所属していないかのようだから。

私は対岸の美しいホテルの方に歩き始める。そこにはとても快適な部屋があり、親切なスタッフがおり、最高のサービスがある。私はすぐに眠り、明日にはこの奇妙な感覚(なんらかの理由、または今日私を圧倒した別のものによる)は、遠く奇妙な記憶以上のものではなくなるだろう。なぜなら私はこう言う理由がもうないからだ。;私は孤独だ。

帰り道、私は別の孤独な人々のそばを通り過ぎる。;彼らは傲慢にも(なぜなら、その美しい夜に一人でいることを選んだふりするのを好むからだ)、または寂しくも(なぜなら、人生には悪いことは何もないと知っているからだ)見える。
彼らと会話しようと考えたが、彼らが自分の孤独を恥じていると知っている。彼らにとっては、限界まで到達してあえて、見知らぬ人と話し、人と会う場所を見つけ、家に帰ってテレビを見たり本を読んだりするのを避けることがいかに大切かを理解する方が良いのかもしれない。なぜなら、もし彼らがそうすれば、人生の意味は失われ、孤独は悪徳になり、それ以降人間の交際に戻る長い道がもはや見つからなくなるからだ。

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