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アリス・テーによる「ベロニカは死ぬことにした」 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

アリス・テーによる「ベロニカは死ぬことにした」
2007/6/14
パウロ・コエーリョ

パウロ・コエーリョの別の本「ベロニカは死ぬことにした」をすでに読み終えた。一番最近読んだ「アルケミスト」と「流れる川のように」よりもずっと気に入った。

「ベロニカは死ぬことにした」(1998)は、三部作「そして七日目に」の中の1冊だ。1冊目は「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」(1994)で、最後の本は「悪魔とプリン嬢」(2000)だ。

ベロニカは、他の2冊のように、愛、死と力に突然直面した普通の人々の人生の1週間について書かれている。コエーリョの言葉を引用すると、彼はこう言った。:「個人の人生は、社会全体と同じように、非常に縮小された時間枠の中で最も深遠な変化が起こるといつも信じていました。」これはまさにこの女の子の物語で起こったことだ。

24歳で若いベロニカは自殺傾向があるが、自分の命を奪う理由はない。彼女には愛してくれる家族がいて、支えてくれる友人がいて、スロベニアのリュブリャーナの図書館での安定した仕事もある。彼女は見た目も良い。ある日、彼女はその全てを終わらせることにした。4パックの睡眠薬を飲み干し、彼女はゆっくりとした、苦痛に満ちた死に陥るが、死ななかった。彼女は、精神病の有名な病院であるヴィレットに入ることになる。昏睡状態から目覚めた時、医師は、彼女があと数日しか生きられないと言った。彼女の心臓は回復不能なダメージを受けていた。

ベロニカは生と死、正気と狂気の間で身動きできなくなる。ヴィレットで、彼女は、うつ病の30代の女性ゼトカとの交流を見つける。;マリは元弁護士の65歳で、恐怖とパニック発作に苦しめられている。;エドアードは大使の息子で、統合失調症と診断された。彼女は後に彼を好きになる。コエーリョはそれらの登場人物に十分な背景を与え、なぜ彼らがいまの状態になったのか理解できるようにしている。

病院での彼女の存在は、それらの人々の中の希望のようなものの引き金となり、彼らもまた、正気と狂気の定義を彼女に問わせる。狂っているのは誰?ヴィレットにいる人、それとも外の人?その全てを経て、彼女は生き、愛する意思を養うが、何日かで死ぬことを知っている。その実現はイゴール医師のおかげでもあり、物語の最後で明らかになる。思わぬ展開に注目してください。

ベロニカとエドアードは、共通するものを持っている。:彼らが選んだ天職への情熱が実現されず、あるいはむしろ、彼らがやりたかったことに両親の同意を得られなかった。ベロニカはピアニストに、エドアードは画家になりたかったのだ。(これはコエーリョの状況に似ていて、彼が作家になりたいと言った時、両親によって精神病院に収容された。)

狂っているとされる人々の世界に連れて行ってくれるという意味で興味深い本です。コエーリョの作品には、いつものように、哲学的で宗教的な要素があります。

この記事はアリス・テーによって執筆されました。(http://www.aliceteh.com/

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