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仏陀の短い物語 その2 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

仏陀の短い物語 その2
2009/2/10
パウロ・コエーリョ

何年もの間、彼はインド北部を回り、この辺りを旅する僧や聖人に会い、言い伝えを学んだ。それは転生、幻想、過去生の罪(カルマ)の清算のことを伝えていた。十分に学んだと感じたとき、彼はナイランジャナ川のほとりに自分で小屋を立て、苦行と瞑想をして暮らした。

彼の生活様式と意志の力は、遂に真実を探求する他の者の注意を惹き付けるようになり、彼らは霊的な助言を求めてやって来た。しかし、6年後、シッダールタが気付いたことは、彼の身体がどんどん弱くなり、絶え間ない感染のためにやらなければならないように瞑想出来ないということだった。

伝説によれば、ある朝、彼が用を足そうと川に入った時、もう立ち上がる力がなかった。溺れそうになったとき、木がその枝をたわませて、流れにさらわれない様にそれらを彼に掴ませた。彼は疲れ果てたが、気絶するまでになんとか岸に辿り着く事が出来た。

数時間後、小作人が通り過ぎ、乳売りが彼に少量の食べ物を与えた。シッダールタは、一緒にそこで暮らしていた他の者の嫌悪感を受け入れた。他の者達は、もはや聖人が誘惑に抵抗する力を持っていないと信じ、すぐにシッダールタの元を去る事にした。しかし、彼は、与えられたミルクを喜んで飲み、神からの印であり、天が送ってくれた祝福だと感じた。

食べたばかりの食事で元気になり、彼は、古くからの弟子に棄てられたことを重要だとは思わなかった。;彼はイチジクの木の隣りに座り、人生と苦悩について瞑想を続ける事にした。彼を試そうとして、神マラが自分の娘を3人送った。セックス、渇望、人生の喜びの考えで彼を混乱させるためだった。しかし、シッダールタは瞑想に熱中していたので、この事に何も気付かなかった。;そのとき、彼はすべての過去生を思い出して、啓示を受けたような体験をしていたからだ。そうするにつれ、彼は忘れていた教訓も思い出した(全ての人は必要な事を学ぶが、学んだ事をめったに役立てる事が出来ないのだ)。

恍惚の状態の中、彼は天国(涅槃)を体験した。そこには、「土も無く、水も無く、火も無く、空気も無く、この世でもあの世でもなく、太陽も無く、月も無く、誕生も死も無い。全ての人間の苦しみの終焉がある。」

その朝が終わった頃、彼は人生の真の意味に到達して仏陀(悟りを開いた者)となった。しかし、残りの人生をそのままの状態でいることはせずに、皆に学んだ事と体験した事全てを教えるために、彼は他者の間での暮らしに戻った。

(つづく)

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