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仏陀の短い物語 その3 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

仏陀の短い物語 その3
2009/2/11
パウロ・コエーリョ

かつてシッダールタと呼ばれた彼は、今は仏陀として生まれ変わり、その枝の下でやっと悟りに到達した木を去り、サルナートの町へと出発した。

その町で彼は古い仲間に会い、絶え間なく誕生と死に導く存在の輪を表現するために、地面に円を描いた。彼はこう説明した。全てを所有する王子であったときも彼は幸せでなかったし、あらゆる禁欲を通じて知恵を学んだこともなかった。天国に到達するために人が求めなければならないのは、「中道」というものだった。:苦しみを求める事でも、喜びの奴隷になる事でもない。

仏陀から聞いた事に感動した彼らは、町から町へ彼の巡礼に着いて行くことにした。良い知らせを聞くと、さらに多くの弟子がその集団に加わった。仏陀は、身体と精神の義務において、互いに互いを助ける事の出来るという原則に従い、信奉者のコミュニティーを作り始めた。

旅のひとつで仏陀は故郷の町に帰った。そこで彼が施しを乞うのを見た彼の父は深く悲しんだ。しかし、彼は父の脚にキスして言った。「王よ、あなたは王の種族に属しています。しかし、私は仏陀の種族に属しています。その多くの者も施しを請うて生きていました。」王は、息子が宿ったときになされた予言を思い出し、仏陀と和解した。見捨てられた事に長い間不満を言っていた仏陀の息子と妻は、最後には彼の使命を理解し、彼の教えを広め始めるコミュニティーを作った。

彼が80歳になろうとしていたとき、腐ったものを食べた彼は、食中毒で死にかけていることを悟った。弟子に助けられて、クシンハガラまでなんとか旅をし、そこで彼は木の横で最後に横になった。

仏陀はいとこのアナンダを呼んで、こう言った。:

「私は年を取り、今世での私の巡礼は終わりが近い。私の身体はまるで、たくさん使われた古いカートのようなものだ。部品のいくつかが、皮のストラップで不安定に結びついているからというだけでまだ役に立つ。しかし、それで十分だ。去る時が来た。」

それから弟子たちに目を向け、疑いを持つ者がいるかどうか尋ねた。誰も言葉を発さなかった。彼は同じ質問を3度したが、彼らは皆黙ったままだった。

仏陀は微笑んで亡くなった。今日、彼の教えは、哲学的宗教の形式で体系化されており、アジアの大部分に広がっている。それらは本質的に、自分自身を深く理解し、隣人に深い敬意をもつことにある。

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