白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

予告された死 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

予告された死
2007/11/8
パウロ・コエーリョ

1970年代半ばのこと。科学者のスティーブン・ホーキングは物理学の博士課程を終えようとしていた。彼は、全身の運動が次第に麻痺していく病気にすでにかかっていたが、あと2年程度しか生きられないと医師が言うのを耳にした。

「それなら」と彼は思った。「もう年金や請求書の支払いのようなことを心配する必要はないのだから、宇宙を理解することに集中できる。」

病気の進行が早かったため、彼は可能な限り簡単かつ手短かに自分のアイデアを説明する方法を考え出さなければならなかった。

2年半が経ち、20年が経ったが、ホーキングはまだ生きている。彼は、自らの非常に抽象的なアイデアを、自分の車いすに繋いだ、たった500の語彙しかない小さなコンピューターを通して伝えることができる。彼は、現代物理学の完全に新しいビジョンを創出するのに貢献した傑作「時間の簡潔な歴史」を執筆した。

病気は、彼を完全に障碍のある人生に導くのではなく、新しい思考法を発見するように仕向けたのだった。

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