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2分間のスーフィーの伝説:いなくなった馬 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

 

2分間のスーフィーの伝説:いなくなった馬
2018/2/22
パウロ・コエーリョ

昔、中国の貧しい村に、百姓が彼の息子と一緒に暮らしていました。
彼の唯一の持ち物は、少しの土地と小さなわら小屋を別にすれば、彼の父から受け継いだ馬だけでした。

ある日、馬は逃げ出し、男には土地を耕す動物がいなくなりました。
隣人たちは(正直で勤勉な彼をとても尊敬していました)、起こったことをどれだけ気の毒に思っているかを言いに彼の家にやって来ました。
彼は、隣人たちの訪問に対してお礼を述べましたが、尋ねました。:

ー起こったことが私の人生のなかで不幸だったと、どうしてわかるのでしょうか?

誰かが友人にぼそぼそとつぶやきました。:
「彼は現実を受け止める事が出来ません。彼が起こったことを悲しんでいないうちは、彼に望むものを考えてもらいましょう。」

そして隣人たちは出て行き、聞いたことに同意したふりをしました。

1週間後、馬は馬屋に戻ってきました。
しかし1頭ではありませんでした。;
連れ合いになる素晴らしい雌馬を一緒に連れて来たのです。
これを聞いて、村人(その男がした答えを、彼らは今理解したので、狼狽していました)は、彼の幸運に対してお祝いの言葉を言うために百姓の家を再び訪ねました。

「以前、あなたは1頭の馬しか持っていませんでしたが、今は2頭持っています。おめでとうございます!」彼らは言った。

「あなた方のご訪問とすべてのお心遣いに大変感謝します。」百姓は答えました。
「しかし、起こったことが私の人生の中で祝福だったとどうしてわかるのでしょうか?」

面食らって、彼は狂い始めているにちがいないと考えながら、隣人たちは去りました。そして道すがら話しました。:
「神が彼に贈り物をしたことを、彼は本当に理解していないのでしょうか?」

1ヶ月後、百姓の息子が雌馬を手なずけることにしました。しかし馬はいきなり後ろ足で立ち上がり、少年は落ちて足の骨を折りました。

隣人たちはケガをした少年への贈り物を持って、百姓の家を再び訪ねました。
村長は父にお悔やみを述べ、皆は起こったことをとても悲しんでいます、と言いました。

男は彼らの訪問と心遣いにお礼を述べましたが、尋ねました。:

「起こったことが私の人生で不幸だったとどうしてわかるのでしょうか?」

彼らは皆、これを聞いて驚きました。息子の事故は本当に悲しい出来事だったということを、誰もが少しも疑わなかったからです。
彼らが百姓の家を出ると、何人かが他の人たちに言いました。:
「彼は本当に狂ってしまっています。;
彼の唯一の息子は永遠に足を引きずるかもしれません。それなのに彼は、起こったことが不幸だったかどうかをまだ疑っています。」

数ヶ月が過ぎ、日本が中国に宣戦布告しました。
皇帝の使節が、戦線に送る若い健康な男性を求めて国中を旅しました。
村に到着すると、彼らは足を折った百姓の息子を除くすべての若い男性を採用しました。

若者たちは、誰一人として生きては帰りませんでした。
息子は回復しました。
2頭の動物は繁殖し、彼らの子馬は良い値段で売られました。
百姓は、隣人たちを慰め助けるために、彼らを訪問し始めました。 
彼らはいつでも、とても気遣ってくれていたからです。
誰かが不満を言うとき、いつも百姓は言いました。:
「それが不幸だとどうしてわかるのでしょうか?」
誰かが大喜びしているとき、彼は尋ねました。:
「それが祝福だとどうしてわかるのでしょうか?」
そして村の男たちは理解しました。
顕われているものを越えたところで、人生は他の意味も持っているということを。

原文:http://paulocoelhoblog.com/2018/02/22/sufi-legend-the-lost-horse/