権威の背後の無能さ - パウロ・コエーリョのE-CARDSより
権威の背後の無能さ
2019/10/29
パウロ・コエーリョ
ジーンは彼の祖父と一緒にパリの公共広場を歩いていた。
ある地点で、彼は客に虐待されている靴職人を見た。客の履物には欠陥があった。靴職人は落ち着いて苦情を聞いて謝罪し、悪いところを修正すると約束した。
ジーンと祖父はコーヒーを飲むためにビストロに立ち寄った。
彼らの隣りのテーブルで、ウェイターが男に、少しだけ椅子を移動して場所を空けるように頼んだ。その男は急にあれこれ不満を並べ始め、移動を拒否した。
「今日見たことを決して忘れてはいけないよ。」とジーンの祖父は言った。「靴職人は苦情を受け入れたが、私たちの隣りのこの男は動くのを嫌がった。」
「役立つことをする役立つ人は、役立たずのように扱われようとも気にしない。」
「しかし、役に立たない人は常に自分を重要だとみなし、あらゆる無能さを権威の背後に隠す。」
Paulo Coelho著「Like a Flowing river」からの抜粋