ダマスカスの剣 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより
ダマスカスの剣
2014/3/10
パウロ・コエーリョ
ダマスカス鋼の注目すべき特徴は、11世紀初頭に十字軍が中東に到着したころ、ヨーロッパに知られるようになった。
この鋼で作られた剣は、中空で羽毛を切り裂くことができ、サラセン人(訳注:中世ヨーロッパ世界がイスラム教徒をこう呼んだ)との多くの戦いを経ても刃が保たれていることがわかった。
剣は、刃の特徴的な水のような模様、または「ダマスク」模様によって、容易に識別された。
このような刀は、強靭で砕けにくいだけでなく、鋭く弾力のある刃に研ぐことが出来るとされて評された。
ダマスカス鋼をつくるオリジナルの方法は知られていない。原材料と製造技術の違いによって、その金属を複製する現代の試みは失敗に終わった。
8世紀の間、アラブの剣の製造会社は、競争相手(と子孫)から彼らの技術を隠すことに成功した。ヨーロッパにいる彼らは、彼らが「赤い薬」か「緑の薬」で冷却したということだけを明らかにした。冷却方式は比較的急でなく、ある記述によると、まだ赤く熱い刃が「駿馬に乗った騎手による猛烈なギャロップ(訳注:1歩ごとに四肢が地面から離れる全速力の走り方)で運ばれた」ときに達成されたという。
小アジアで発見された文書では、ダマスカス剣の刃を鍛えるには「砂漠に昇る太陽のように」輝くまでそれを熱しなければならないという。
ニッケル博士によると、ダマスカス鋼の刃を一旦ハンマーで打って荒削りにしてから、細かい刃に研磨された。主に片面を打つことによって、湾曲した形になった。それがセイバーの起源だと彼は言った。
これまでに作られた最高の刀は、と彼は付け加えた。日本の侍の刀です。その刃は100万層の鋼を含む可能性がある。層はその長さの2倍の棒を叩いてできたもので、それから32回以上それを折り重ねる。
日本人、マーレー・ダガーやクリスの製造者に使用された多層構造は、時々「溶接ダマスカス鋼」と呼ばれる。本当のダマスカス鋼と製造方法は違っても、刃は非常に似た模様を持っている。
Walter Sullivanによる1981年の記事とWikipediaより