白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

スティルウォーター刑務所の読書クラブの開幕に収容者が集まる - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

スティルウォーター刑務所の読書クラブの開幕に収容者が集まる
2019/10/21
パウロ・コエーリョ

スター・トリビューン誌 リズ・ソーヤー執筆

窓からバーが見える教室で、ショーン・ベンソンは小説の横に手を置いた。

9人の受刑者が環を作って座り、代わりばんこに「アルケミスト」を細かく分析している。「アルケミスト」は、運命の発見についての物語だ。

「この本はとても私の心に響いた。」とベンソンは言った。他の人が、あらすじと自らの人生の紆余曲折との類似点を比較して思い描いている間にも、彼は90分近く沈黙を保っていた。

「自分が誰であるか、本当になりたいのは誰なのかをあなたは理解するでしょう。」彼は刑務所について彼に話した誰かの言葉を思い出した。「彼のしている旅は、まさに今私がしている旅です。」

その夜は口に出来るワインはない。並べるチーズもない。これは普通の読書クラブではないからだ。ミネソタ州刑務所内で最初のもののひとつで、犯罪者と共同体のメンバーが文学を通して平等に集まるめったにない機会だった。

矯正委員のポール・シュネルは今月、ベイポート市にあるスティルウォーター刑務所で開幕イベントを開催した。投獄された男たちと幅広い議論をするため、少数の友人や隣人を招待した。囚人のほとんどは殺人罪終身刑に服している。

「彼らが誰かの生命を奪ったなどとは絶対に推測できないでしょう。」とシュネルは言った。それぞれが選んだ道についていくつかの自己内省のきっかけとなることを期待して、彼は本を厳選した。

「それは、私たちは皆、ひとつの単独の物語以上のものだという視点を与えてくれます。」

パウロ・コエーリョが書いた「アルケミスト」はアンダルシアの羊飼いの少年アンチアゴの冒険記だ。彼の探求である埋もれた宝を見つけ出すことによって、彼の本当の「個人的な伝説」を明らかにする。

誠実、敬意、忍耐を推奨するポスターが散りばめられた部屋で、その男は、彼ら自身の旅における完全なる異邦人の前で、無防備になることを自らに許す。つまり、それぞれの旅には予期せぬ迂回が含まれていたのだから。

服役中に小説の執筆を始めたマイケル・メディンは、本の中で、主人公を導いて助けてくれた予兆を指摘する。現実の人生も思いがけない警告を与える、と彼は言った。だが、誰もが注意を払うことを選ぶわけではない。

「神が私の道に多くの人を置いてくださり、私がそれに耳を傾けなかったのだと思っています。」とメディンは言った。「私は間違った人々に耳を貸したのです。私の心は間違った宝物にあったのです。」

明るい批評家で囚人のアミッドは、本の最も有名な一節のひとつを時間をかけて分析した。:「人が本当に何かを望めば、その人が夢を叶えるために全宇宙が共に動いてくれる。」

デビット・ブロムはその一節を心に刻んだ。彼は、目的を果たすために、なにかの偉大な力が彼を援助してくれるという考えを心地よく感じた。

「振り返ると、暗く困難なときが何度かありました。」とブロムは言った。彼は30年以上収監されている。「しかし、私は正しい時に正しい人に出会いました。つまり、これまで存在すると思いもしなかったチャンスがやってきて、私が誰であるかを変化させたのです。」

paulocoelhoblog.com

youareme.hatenablog.com