白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

杉の林 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

杉の林
2015/7/8
パウロ・コエーリョ

1939年、日本の外交官だった杉原千畝は、人類が経験した最も恐ろしい期間のひとつに、リトアニア日本大使館で働いていた。彼は出国ビザを発行し、何千ものポーランドユダヤ人をナチの脅威から救った。
彼の英雄的な行為は長い間故国の政府から否定された。杉原が救った人々が沈黙を破って彼の物語を語ると決めるまで、それは戦争の歴史の中で、ただの曖昧で些細な事柄だった。
それから、彼の偉大な勇気を誰もが祝福した。;メディアが参加し、作家は、「日本のシンドラー」として彼を説明する本を書く気にさせられたのだ。
その頃イスラエル政府は、その努力に報いるため、彼のような救世主の名前を照合していた。ユダヤ人国家が自分達の英雄に対する負債を認めようとした方法のひとつは、彼らの報償として木を植えることだった。
杉原の勇敢さが知られるようになったとき、イスラエル当局は、慣習に従い、彼の思い出として日本の伝統的な木である桜の林を植えようと計画した。
注文を取り消すという珍しい決定が急になされた。彼らは、桜の木は杉原の勇気の象徴ではないと決定したのだ。代わりに彼らは杉の木を植えることを選んだ。なぜなら、杉ははるかに丈夫で、神聖な意味を持ち、最初の寺の建造に用いられたからだ。
木が植えられたとき初めて、当局は日本語の「杉原」が杉の林を意味することを知ったのだった。

paulocoelhoblog.com

youareme.hatenablog.com