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フミの飽くなき望み - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

フミの飽くなき望み 
2008/12/9
パウロ・コエーリョ

読者のShirlei Massapustが送ってくれた物語のまとめ

昔、日本にフミと呼ばれる若者が住んでいた。彼は石を砕いて生計を立てていた。
頑丈で健康だったが、彼は幸せでなく、昼も夜も多くの不満を言っていた。

クリスマスの日、彼は熱心に祈り、守護天使がついに彼の前に現れた。

「あなたは健康で、行く手には人生がまるごと待っています。」と天使が言った。「若者は皆何かすることから始めるものです。なぜあなたはいつも不満を言っているのですか?」

「神は私に対して不公平で、成長のチャンスを与えてくれなかったからです。」とフミは答えた。

心配した天使は、彼の保護する者が魂を失ってしまわないように主に助けを求めた。

「あなたの望むままに」と主は言われた。クリスマスだったので、フミが望むことは全部受け入れられるのです。

翌日、石を砕いていたとき、フミは宝石で覆われた貴族を運ぶ馬車を見た。汗と汚れた額をその手で拭い、フミは苦々しく言った。:

「なぜ私も貴族になれないのですか?それこそがわが運命です!」

「それにおなりなさい!」彼の天使は大きな喜びを持ってつぶやいた。

そしてフミは高価な宮殿とたくさんの地所の主人に変わり、常に給仕と馬に囲まれていた。彼は優れた従者を従えて毎日パレードし、昔の仲間が通りに並んで尊敬のまなざしで彼を眺めるのを見ることを好んだ。

そのようなある日の午後、彼の黄金の日除けの下に居ても暑さが耐え難く、フミは汗ばんでいた。石を砕いていた頃ちょうそそうだったように。
そして彼は、自分がそれほど重要でないことに気がついた。彼の上には王子がいて、皇帝がいて、さらに彼らの上に太陽がいるではないか。太陽は誰にも従わず、それこそが真の王様だ。

「ああ、私の天使様!私はどうして太陽になれないのですか?それこそが私の運命であるべきです!」とフミは不満を言った。

「それにおなりなさい!」と天使は声高に言った。そのような見せかけに悲しみを隠して。

そしてフミは太陽になった。それが彼の願いだったからだ。

空で輝き、穀物その他を実らせ、気まぐれにそれらを焼く巨大な力に感心していると、黒い点が近づき始めた。暗い影がだんだんと大きくなり、彼は、それが周りに広がる雲で、そのせいで地上を見ることが出来なくなっていることに気がついた。

「天使様!」とフミは叫んだ。「雲は太陽よりも強い!私の運命は雲になることです!」

「それにおなりなさい!」と天使は答えた。

フミは雲になり、夢が叶ったと思った。

「私は強力だ!」太陽を暗くし、彼は叫んだ。

「私は無敵だ!」波を追いかけ、彼は雷鳴を轟かせた。

しかし、砂漠の海岸沿いに、世界と同じくらい古い花崗岩の大きな岩が隆起した。フミはその岩が彼に逆らっていると思ったので、世界がかつて目にしたことがないような嵐を作り上げた。巨大で怒り狂った波が岩を打ち付け、それを地面から裂いて海の深みに投げ込もうとした。

しかし岩はその場所で堅く平然と立ったままだった。

「天使様!」フミはむせび泣いた。「岩は雲よりも強い!私の定めは岩になることです!」

そしてフミは岩になった。

「さあ、誰が私を倒せるかな?」彼は心の中で言った。「私は世界一強いのだ。」

何年もたったある朝、フミは自分の石の内臓に鋭いひと突きを感じ、続けて花崗岩の体の一部が引き裂かれているかのようなひどい痛みがあった。その後、鈍い、ひっきりなしの轟音が聞こえ、その後ものすごい痛みがあった。

恐怖で狂い、彼はわめき始めた。

「天使様!誰かが私を殺そうとしています!彼は私より強い。私は彼のようになりたい!」

「そうおなりなさい!」天使は涙を流しながら声高に言った。

そうやってフミは石を砕く仕事に戻った。

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