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パジャマを着た死者 その2 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

パジャマを着た死者 その2
2009/3/20
パウロ・コエーリョ

男は、団地を建てた会社の元従業員で、離婚後すぐの80年代初頭にそこに引っ越していたと特定された。彼はその日ちょうど50才をすぎたところで、全く突然、新聞を読みながら、この世を去った。

彼の元妻は彼を探すことはなかった。彼が働いていた会社はアパートが売れなかったため、建物が完成した直後に破産したことがわかった。そのために、男が日常の活動に現れなかったことを皆は奇妙に思わなかったのだ。彼の友人が調べられ、彼らは彼の失踪を、彼が金を借りて返せなかった事実のせいにした。

ニュースは、遺体が彼の元妻のところに運ばれたとして締めくくった。私はその記事を読み終え、最後の文章を不思議に思った。:彼の元妻は生きていて、20年間も夫を調べることすらしなかった。彼女は何を思うだろう?彼はもはや彼女を愛していないから、彼が自分の人生から彼女を永久に削除することにしたから。彼には別の女性が居て、跡形なく消えたから。人生はそんなもので、かつて離婚を経験した人はあちこちにいて、法的に変わった関係性を続けることは意味がないから。人生の良い時期を共有した男の運命を見つけたとき、彼女は何を感じたのかを私は想像する。

それから私はパジャマで死んだ男のことを思った。底知れない全くの孤独で、彼が単に跡形もなく消えたことに、20年間全世界で誰も気がつくことなく。私の結論は、飢餓や渇きよりも悪く、仕事がないよりも、愛に苦しむよりも、いくつかの敗北で失望するよりも悪く、このすべてよりも悪いのは、誰も、絶対的に誰も、この世界で私たちのことを気にかける人がいないと感じることだ。

今、この男性に謹んで、黙祷と、友人がいかに大切かを私たちに考えさせてくれたことへの感謝を捧げます。

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