白い部屋

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パウロ・コエーリョ DLD 08にて - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

パウロ・コエーリョ DLD 08にて
2008/1/25
パウロ・コエーリョ

(訳注:DLDはdigital-life-designの略で、デジタル時代の世界に変化をもたらそうとする人々を繋ぐ国際的会合 https://dld-conference.com/

パウロ・コエーリョ(「アルケミスト」や「ベロニカは死ぬことにした」などの影響力のある著者)がDLDに素晴らしい魅力的な基調講演をしてくれた。それは私にとって、ハイライトのひとつであった。男からはカリスマ性と知恵がにじみ出している。

マーサ(訳注:DLD 08にスピーカーとして出演したマーサ・スチュワートのことか?)とは異なり、彼は自分の聴衆について考え、私たちに関係があって興味深いだろうと思うスピーチをした。

彼の主なテーマは、著作権は負け戦で、私たちはそれを受け入れ、新しい世界で結果と共に暮らして行くべきだということだった。さらに、これは私たちが悲しんだり悔やんだりすることではなく、あらゆるコンテンツの作成者が自分たちの利益のために利用出来るということだ。

この思いに対して、彼はただのリップサービスをするのでなく、自分自身(と彼の出版社)にかなりの商業的有利さを創出するために、哲学を非常に賢く使ったのである。

彼の学習はこんな感じだ。最初、2001年にフリーダウンロードが可能な本を出版した。;「両親、こども、孫のための物語」はウェブと、オタク層以外の可能性をかなり早い段階で示している。数百万部のダウンロードがあったが、彼はそれを 
彼の最も読まれていない本として述べている。人々はダウンロードしたが、彼は読んでいないと思っている。誰も彼にその本の話をしなかったのだ!

次に彼は、ロシアで海賊版の「アルケミスト」を見つけた。ロシアでは、年間1000部しか売れていない。失うものがないので、海賊版をフリーダウンロードに使った。翌年、彼は1万冊を売り、続いて本そのものが10万冊売れた。他に何も変わっていないので、彼はフリーダウンロードを見本だとみなす。人々はダウンロードし、少し読んで気に入れば本を買いに行く。

最近、彼のアプローチはより構造化された。彼の作品のさまざまな言語の海賊版を見つけ、裏ブログ「海賊コエーリョ」を通じて皆にそれを教えるのだ。彼は公式の翻訳の原稿も海賊コエーリョにリークすると言われている。

これは世界セールスを劇的に増やしており、彼の名前で1億冊を売ったベストセラー作家として、彼の知的財産の所有権に対する無関心な態度が何かの害をもたらしたと見るのは難しいと主張する。
その上、大抵の作家の目標は、実際に何にも増して読まれることだ。稼ぐ(または海賊行為で「失う」)お金は大抵二の次なのだ。

彼はまた、ブログの投稿での面白い話もした。彼にEメールを送信した先着10名を毎年3月19日に開催する彼のパーティーに招待したというのだ。パーティーはスペインの辺鄙な場所で開かれるので、日本やカタールイラクのような場所から返信が来て彼は驚いた。

彼は10人に明確に書いた。それはたった2時間のパーティーで、航空券や宿泊設備、経費等は一切支払わないと。だが、どちらにしても彼らは全員やって来た。日本人女性はこれまでに日本を出たこともなかったのだ!

偉大な男であることよ。

ラッセル・バックリーによる投稿

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