白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

30秒間の読み物:天使の義務 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

30秒間の読み物:天使の義務
2018/10/21
パウロ・コエーリョ

昔、出会う人すべてを愛し、許すことが出来る男がいた。

それで、神は彼と話をするために天使を遣わした。

「あなたを訪問し、神はあなたの善行に報いることを望んでいると伝えるために私は遣わされました。」と天使が言った。

「どんな望みも聞き入れます。療しの才能はいかがですか?」

「いいえ、要りません。」と男は答えた。「癒されるべき人々を、神ご自身が選ぶ方が良いのです。」

「あなたに奇跡を与えないことには私は天国に帰ることができません。あなたが選ばないのなら、何かひとつを受け入れなくてはなりません。」

答える前に男は少し考えた。:「それなら、私を通して成される善行を望みます。ただし、誰にも、 ー私自身にも気付かれずに。そうすれば、私はうぬぼれの罪を犯さずに済みます。」

それで天使は、彼の影に、太陽が彼の顔を照らすときにだけ治療できる力を与えた。

そうして、彼が行けばどこでも、病人は癒され、土地は再び肥沃になり、悲しむ人々は喜びを取り戻した。

男は何年もの間、地球上を旅した。自ら行った奇跡に気付くことなく。彼が太陽を向いている時には、彼の影は常に彼の後ろにあったからだ。

そうして彼は、自らの神聖さに気付かないままに生きて生涯を終えることができた。

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