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マタ・ハリの最後の週 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

マタ・ハリの最後の週 
2016/6/16
パウロ・コエーリョ

「ザ・スパイ」はマタ・ハリの真実の物語を生き返らせる。
彼女は有名な高級売春婦、そして100年前に反逆罪で処刑され、非難されているスパイだ。マタ・ハリは最初の世界大戦の間、観客を驚かせ、楽しませたダンサーで、時代で最も裕福な、最も権力を持った男たちと親友になった。彼女はあえて、20世紀初頭の道徳や偏狭な慣習から自身を自由にした。だが最後には命を持ってそれに報いることになった。パリの刑務所で彼女が処刑を待っていたとき、最後の要求のひとつは手紙を書くための1本のペンと数枚の紙だった。
過去20年にわたり、英国とドイツとオランダのMI5はマタ・ハリに関する彼らのファイルを公開してきた。コエーリョが彼の小説を調査していた時、それが彼に情報の宝庫を提供した。

「最後には書類の山に埋もれてしまいました。」コエーリョは言った。
「しかし問いもあった。:それらの手紙の中でマタ・ハリは何を書いたのだろう?そしてどうやって彼女は、友人と敵が仕掛けたとてもたくさんの罠にかかったのだろう?」
一人称の語り口を使い、マタ・ハリの最後の手紙を通して、コエーリョは彼女の人生の認識を新たにする。それは彼女の処刑の前の週に書かれた。刑務所、そこから、マタ・ハリは自身の真実を追う上で彼女が下した決断を明らかにする。ー小さなオランダの街での幼年期から、ジャワのアルコール中毒の外交官の妻としての不幸な日々まで、計算し自己流でフランスで有名人に上り詰めるまで。

マタ・ハリは私たちの最初のフェミニストのひとりでした。」コエーリョは言った。
「その時代の男性の期待を受け付けないで、代わりに自立した型にはまらない人生を選んだ。権力者による告発が、無実の人の命を今でも犠牲にしている今日、彼女の人生から引き出せる教訓がある。」
発砲隊による彼女の死の間際 ー彼女が処刑人を見つめて、目隠しを拒否したときー マタ・ハリは有名な言葉を言った。「準備はできているわ。」コエーリョはその瞬間のことをこう言う。
「彼女の唯一の罪は自立した女性であったこと。」

 

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