白い部屋

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先生への挑戦 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

先生への挑戦
2009/4/1
パウロ・コエーリョ

●鳥は生きていますか?

若い男の修行が終わりに来ていて、彼は間もなく先生になっていく予定だった。あらゆる優秀な生徒と同じように、彼は自分の先生に挑戦し、考え方を成長させなければならない。彼は鳥を捕まえ、片手にそれを入れて先生に会いに行った。

「先生、この鳥は生きていますか?死んでいますか?」

彼の計画はこうだった。:先生が「死んでいる」といった場合には、手を開けば鳥は飛んで行くだろう。先生が「生きている」と言った場合には、指の間で鳥を押しつぶしてしまおう。;そうすれば、どちらの答えをしても先生は間違えることになる。

「先生、鳥は生きていますか、死んでいますか?」と彼は再び尋ねた。

「親愛なる私の生徒よ、それはあなた次第ですよ。」というのが先生の答えだった。

●招かれざる見習い

「私たちの寺院には扉がありません。」とシャンティは知識を求めて来た訪問者に言った。

「あなたの平穏を邪魔しに来る煩わしい人々をどうするのですか?」

「私たちは彼らを無視するので、彼らは行ってしまいます。」とシャンティは言った。

「私は、知識を求めてきた修行を積んだ者です。」と見知らぬ相手は食い下がった。「しかし、愚かな人達をあなたはどうするのですか?彼らが行ってしまうまで、同じようにただ無視するのですか?それでうまくいくのですか?」

シャンティは返事をしなかった。訪問者は何度か質問を繰り返したが、返事がないのが分かったので、彼がすることにもっと注意を向けてくれる別の先生を見つけに行くことにした。

「どれほどうまくいくかわかりましたね?」とシャンティは独り言を言って微笑んだ。

●ヨギと賢い愚か者

スーフィーの伝説の賢い愚か者であるナスラッディンは、洞穴の前を通りがかり、深く瞑想しているヨギに会う。そして何を探しているのかを彼に尋ねる。

「私は動物を観察しており、人間の人生を変え得る彼らから多くの学びを得ます。」とヨギは言う。

「あなたが知っていることを教えて下さい。そうすれば私が学んだことをあなたに教えましょう。魚が私の命を救ったのです。」とナスラッディンは答える。

ヨギは驚く。:魚に命を救われるなら聖人にちがいないのだ。彼は、知っていることをすべて教えることにする。


彼が教え終わり、ナスラッディンが言う。:

「さて、私はあなたにすべてを教えました。魚があなたの命を救った話を知ることができるのは光栄です。」

「単純なことです。飢えて死にかけていたとき、私は魚を捕まえました。そのおかげで3日間生き延びることが出来ました。」

●7日間での悟り

仏陀が弟子に言った。:努力をすれば誰でも7日間で悟りを開けます。それをどうしても出来なければ、きっと7ヶ月や7年かけて成し遂げるでしょう。
若い男が1週間でそれを成し遂げることを決心し、何をすべきかを知りたがった。:
「集中です。」というのが答えだった。
若い男は修行を始めたが、10分ですでに気が散っていた。彼は少しずつ、気を散らすものすべてに注意を払い始めた。そして、自分は時間を無駄にしておらず、自分自身に慣れて行っているのだと考えた。

ある善き日。彼は決意した。
自分のゴールにそんなに早く到達する必要はないと。道は彼に多くを教えているのだから。

彼が悟りを開いたのはその瞬間だった。

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