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パウロ・コエーリョが「アルケミスト」の25周年記念版を論じる - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

パウロ・コエーリョが「アルケミスト」の25周年記念版を論じる
2014/7/21
パウロ・コエーリョ

ー「アルケミスト」を書くきっかけとなったことは何ですか?

コエーリョ:私の夢は作家になることでした。私は、フランスからスペインのサンチアゴ・デ・コンポステーラまでの個人的な巡礼を達成した後、1987年に最初の本「星の巡礼」を書きました。その後で、「夢を叶えるのに、なぜそれほど長い時間がかかったのだろう?」と私は思いました。ですから、私はたとえ話を書くことにしました。このたとえ話が「アルケミスト」です。彼や彼女の夢を満たすことを必要としているが、本人がそれを不可能だと考えているために時間がかかりすぎる人についての小説です。

ー「アルケミスト」は世界中で1億5千万部以上を売り上げ、115の国際的な賞をとり、80の言語に翻訳され、最初の出版から25年後の今日も、ニューヨーク・タイムズ誌のベストセラーリストに載っています。
この成功があなたの人生にもたらした影響は何でしょうか?

コエーリョ:もちろん、「アルケミスト」は私に多くの扉を開いてくれました。この質問に答えている瞬間も、その小説はニューヨーク・タイムズ誌のベストセラーリストにあります。しかし、成功は一晩で起きたのではなく、私がそれに慣れるための時間がありました。本は突然に爆発的に売れるようなものではなかったのです。私は、成功とは祝福され得るものでもあり、呪いにもなりうるものだと思います。気がついたとき、私は年を重ねていたので、その変化に向き合う別のレベルの成熟を持っていました。それが起きたとき、私はこう考えたのを覚えています。「神様、これは祝福です」。ですからなによりも、私はそれを尊重しなければなりませんでした。それを尊重するには、祝福に説明はありませんが、大事にし名誉を与えることが必要だと本当に理解することです。

ーあなたは「アルケミスト」の登場人物の誰かに親しみを感じていますか?もうそうならどのようにですか?

コエーリョ:「アルケミスト」の中で、私はイギリス人の男に共感しています。ー本を通して人生を理解しようとしている人物です。人生を理解するのに、私たちが何度本を使うかを考えると全く興味深いことです。私は、本は触媒だと思います。それは反応を誘発するのです。私は病み付きの読書家です。時々ですが、私はたくさんの本を読みます。私の人生を変えた本が何冊かあります。いえ、私の人生を変えたのは、本そのものではありません。つまり、私はもう変化の準備ができていて、孤独を感じないことが必要でした。「アルケミスト」のイギリス人の男にも同じことが起きます。

ー「アルケミスト」を書いてからの過去25年で、あなた個人の運命について何を発見しましたか?

コエーリョ:「アルケミスト」を書き、世界的に成功してから学んだことは、基本的に、私には夢、即ち成し遂げるべき個人的な伝説があったということです。作家になるということは書くということ。書くということは新しい本を意味します。新しい本は新しい挑戦を意味します。もちろん、もしお金のために作家になっただけならば、私はずっと前に「アルケミスト」と一緒に立ち止まっていたかもしれません。しかし、私は自分のすることを本当に愛しています。書いていない自分自身は想像出来ません。それは必ずしも簡単な仕事ではありません。時にとても努力を要します。しかし、これが私のすることで、私の好きなことなのです。ですから、旅そのものが奇跡で、それは祝福なのです。到達点はありません。あなたは、心の中に楽しみ、希望、挑戦を持って自分の旅をするべきです。

ー読者やファンに何か言いたいことはありますか?

コエーリョ:読者とファン、基本的に私の仲間の皆さん。スピリチュアリティーとは、勇敢であること、リスクを冒すこと、人がいつもするなと言うとき、敢えてそれをすることだと私は言いましょう。例えば、私の両親は、私に作家になるのを望んでいませんでした。それで、私が夢を叶えるのにとても長い時間がかかったのです。しかし、フランスからスペインまで巡礼をした後、自分にこう言った瞬間のおかげで私はここにいます。「叶えようとすらしなかった夢を生きることは出来ない。」
あなたも同じことをしてください。

 

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