白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

矢の飛行の観察の仕方 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

矢の飛行の観察の仕方
2016/1/24
パウロ・コエーリョ

矢は空間に投影された意思だ。
それが一旦放たれると、射手は標的の方へその進路に同行する以外にすることが何も残されていない。その瞬間から、発射に必要な張力はもはや存在する理由がない。
ゆえに射手は、矢の飛行に目を凝らし続けながらも心は平穏で、彼は微笑む。
その瞬間、充分な訓練ができていれば、彼の本能を開発できていれば、発射の全過程を通して彼が優雅さと集中力を維持していれば、彼は宇宙の存在を感じ、彼の行為が公正で当然のこととわかるだろう。
技術は両手を常に準備させ、呼吸を常に正確にさせ、目を標的に固定出来るようにする。
本能は発射の瞬間を完璧にする。
両腕を広げ視線で矢を追いかける射手は、通りがかりに誰が見ても止まっていると思われるだろう。しかし盟友は、矢を放った者の心が次元を変え、今は全宇宙とつながっているという事を知っている。:精神は活動し続け、発射でもたらされた前向きな性質のすべてを学び、誤りを修正し、彼の本質を受け入れ、当たった時に標的がどう反応するのか見るのを待つ。
弦をのばすとき、射手は弓のうちに全世界をみることができる。彼が矢の飛行に同行するとき、この世界は彼に近寄り、愛撫し、任務を満たした完全な感覚を味わわせる。
光の戦士が任務を果たし意思を行為に変えたとき、もはや怖れを必要はない。:彼はやるべきことをやった。矢が標的に届かなかったとしても、彼は怖れによって動けなくなるのを自分に許可しておらず、別の機会を持つだろう。なぜなら、彼は臆病者でないからだ。

(私のebook「弓の道」より)

 

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