第三の情熱 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより
拙訳
第三の情熱
2008/11/5
パウロ・コエーリョ
ここ15年間で、私は3つだけ圧倒的な情熱を経験したのを覚えている。ーあなたがそれについてすべての本を読み、否応なしに話をし、同じ好みの人を捜し、寝て起きる間にも考えるような類いのものだ。
第一は、私がタイプライターを永遠に放棄しコンピューターを買った時だ。私はその自由さを発見した。
私はこれを小さなフランス人街で書いている。使っているコンピューターは、重量が1.5キロ未満で、私の10年間分の職業生活を保存し、私が必要なものはどんなものでも5分以内に見つけることができる。
第二は初めてインターネットにアクセスした時だ。その時までに、全ての中で最大の図書館よりも大きい図書館が既にあった。
しかし、第三の情熱は科学技術の進歩とは全く関係がない。弓矢についてだ。
私は若い頃、「弓道における禅」(E.ヘリゲル((エド・ペンサメント))著)と題された魅力的な本を読んだ。それは、このスポーツによる作者の霊的な旅について書かれている。
その思想は、ある日ピレネーで射手に会うまで、私の潜在意識に染みついていた。しばらく話をしてから、彼は私に道具を貸した。それ以来、私はほぼ毎日弓道の練習をせずにはいられない。
ブラジルで、私は自分のアパートに射的スタンドを設置した。 ー客が到着して5分以内に取り外せる種類のものだ。
フランスの山岳地帯で私は毎日練習に行き、そのために既に2度、低体温症で寝たきりになった。マイナス6度に2時間以上曝されていたことによって引き起こされたのだ。
今年、私はとても強力な鎮痛剤のおかげで、ダボスでの世界経済フォーラムに参加した。フォーラムの二日前に腕を誤った位置にしたために痛みのある筋肉炎になっていたからだ。
では、その魅力はどこだろう?
紀元前3万年にさかのぼる武器である弓矢で的に狙いを定めるのに、実際的な資質は何もない。しかし、私のこの情熱を呼び起こしたヘリゲルは、彼が何について話しているのかわかっていた。
「禅と弓道の技巧」から、日常のたくさんの行動に適用できるいくつかの抜粋をここにあげる。:
「テンションを保っているとき、あなたが使う必要のあるものだけに集中しなさい。残りのエネルギーを保存し、何かに到達するためには大きな動きをする必要はなく、ただ的に焦点を当てるということを弓から学びなさい。」
「マスターは私にとても固い弓を与えた。私は、なぜ初心者の私にプロのような教え方をするのか彼に尋ねた。彼は答えた。『簡単な事から始めたら、あなたは大きな挑戦への準備ができないでしょう。この先でどんな困難に出会おうとしているのか、すぐ知っていた方が良いのです。』」
「長い間、私は適切に弓を開くことができないまま発射していた。ある日マスターが私に呼吸のレッスンを教えると、すべてがとても容易くなった。私は彼に、なぜ私を直すのにそれほど長く時間がかかったのかを尋ねた。彼は答えた。:『一番始めから呼吸のエクササイズを教えていたら、あなたはそれを不要と思ったでしょう。今、あなたは私の教える事を信じ、本当に重要なこととして練習するでしょう。教え方を知っている人はこのように行動するのです。」
「矢を放つ瞬間は本能的に生じますが、まず弓、矢と的を良く知らなければならなりません。人生の試練での完全な一撃も直感を使います。しかし、それを完全に習得した後で技術を忘れてはなりません。」
「4年間が終わり、私が弓を習得できる能力をつけたとき、マスターはお祝いをしてくれた。嬉しくて、私は折り返し地点に到達したと彼に言った。「いいえ。」マスターは答えた。『危険な罠に落ちないためには、あなたが道の90%を来た後、折り返し地点に到達したと考えた方が良いのです。』」
注意!弓矢を使うことは危険だ。フランスのようないくつかの国ではそれは武器と考えられている。あなたのライセンスを受け取った後、特別に認可された場所でのみ練習する事ができる。
原文:http://paulocoelhoblog.com/2008/11/05/the-third-passion/