白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

タイム誌のインタビュー - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

タイム誌のインタビュー
2019/1/6
パウロ・コエーリョ

ー新しい小説「ヒッピー」は、1970年代、あなたが南アメリカとヨーロッパを探検した経験に基づいています。
なぜ今、この物語を書いたのですか?

私たちは隣人が言うべきことに耳を貸す能力を失ってしまいました。私たちは礼儀正しい会話をしますが、結局のところ、彼らの話を聞きません。
希望に満ち、私たちが世界を変えようとしている、と考えていた時代が一瞬だけあったのです。

ーヒッピー生活に暗い側面があったと思いますか?

ドラッグとセックスがありましたが、私はそれらを暗い側面とは呼びません。世界にとってドラッグがどんなに危険かということを宣伝するのに、たくさんのお金が費やされました。
私が思うに、それらはその頃よりも現在の方がより危険だと思います。

ー社会に関して、あなたたちの世代が理解できなかったことは何でしょうか?

私たちの世代は、一度ヒッピーだったことがあるなら、いつもヒッピーだということを理解しています。もちろん私は、ここジュネーブで快適に座っていながら、今日ヒッピーであることは出来ませんでした。しかし私の価値観は同じままです。:
人生を簡素にし、健康的に食べ、女性を敬う。
私の世代は旅心と旅する願望を理解していましたが、それから自立するタイミングが来ました。そしてそのふたつの間の平和を取りまとめるのが難しくなりました。

ドナルド・トランプ大統領はヒッピー文化の裏側を代表していますか?

トランプについて言うことは何もありません。トランプはアメリカの問題です。私の国について人々が口を出し始めるのは嫌いで、私はそれをなんとかする方法について意見を出そうと努めています。アメリカにすべての責任を負わせることなく生き残る方法を、人々が学ぶことが必要です。

ー「ヒッピー」の主人公パウロと、彼が一緒に旅する女性カーラ。彼らの物語の本質的な要素は何でしょう?

私たちふたりは、人生とあらゆる可能性に関して、とても好奇心がありました。カーラは私に、一緒にネパールへ行こうと頼んだ女性です。私は行きました。なぜなら、経験は人生で最も重要なことであったし、今もそうです。カルラと私は旅をすることができ、進んで危険に身をさらしました。
私が刑務所に入れられ拷問を受けたことが、本に書かれています。なぜなら、軍事独裁政権が私たちを理解しなかったからです。

ー小説の中で、ふたりはお互いに複雑な愛を持っています。あなたは今までに愛したことがありますか?

愛していないときのことを思い出せません。愛にはとても異なる形のものがあります。他の人間への愛であるエロスがあります。英知への愛であるフィリアがあります。すべてを超越する愛であるプラグマがあります。
そうは言っても、私は38年間結婚しています。妻のいない人生は考えられません。眠りにつく度、私は彼女を見ます。彼女はすでに眠っています。そして私は心の中でつぶやきます。「ああ、神様。私を理解する人をみつけたということ。これこそが私の人生最大の祝福です。」と。

ーあなたの最も有名な本「アルケミスト」が出版されてからの30年を振り返って、あなたの人生はどんなことに変わりましたか?

アルケミスト」は私の人生のすべてを変えました。
40歳の時に始まってから、それは非常にゆっくりしたプロセスでしたので、私には調整のための時間がありました。ゼロからたくさんのお金を持つ様になったので、狂わせられることはありませんでした。
あなたがやるべきことは、魂を表現する方法を学ぶことです。そしてこれが、私がやり続けていることです。死ぬ日まで私は書きたいと願っています。

ー近々あなたの本の映画を、私たちが見れる可能性はありますか?

いいえ。私が自分の本を映画として見ることはありません。もちろん、私が十分に愚かだったか虚栄心だったのか、「アルケミスト」がアメリカで発表された時、すぐにハリウッドに売りました。映画になるとき、本は良くはなりません。本は読者の中の創造性を刺激するものです。映画では、すでに何もかもが出来上がっています。

 

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