白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

誰が私の物語を盗んだのか? - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

誰が私の物語を盗んだのか?
2016/4/13
パウロ・コエーリョ

私がマイスペースをしていたとき(もうやっていない)、
私のプロフィールから 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」(フランク・シナトラ)という曲が削除された。
それでだれが曲を消したのか?答えは簡単:
貪欲と無知だ。
この世界が変わったということを理解しない貪欲。
もし音楽が無料で利用できるのなら人々はCDを買わないだろう、と考える無知。

A] 何人かは言うだろう:
あなたの文章を無料でここにのせる余裕がある程あなたは十分にお金持ちだ。
私が(フランク・シナトラと彼の相続人がそうであるのと同じように)金持ちなのは本当だ。しかし、これは重要ではない。重要なのは、私たちは何よりもまず何かを「共有」したいということだ。あなたがほとんどのページにいったときに、何を見るだろうか?素敵な絵、すごいブログ、驚くべき写真。無料でだ。ここでは私の文章は無料だ。そしてあなたが著者の名前を挙げるなら、どこへもそれを複製できる。

B] 業界はこう言うだろう:
給料がなくてはアーティストは生き残れない。
しかし業界は今日の私たちの現実とは正反対の方向を考えている。私はツイッターでヒラルをフォローしている(彼女がたとえ年に一度しかツイートしないとしても…)。ヒラルはトルコ出身だが、ロシアで暮らしている(そして彼女は「アリフ」の主人公だ)。彼女は最初に「アルケミスト」の海賊版を読んだ。ヒラルはテキストをダウンロードし、それを読み、本を買う事に決めた。今日まで、私はロシアで12,000,000以上の紙媒体を売り上げ、それを頼りにしている。

C] 私はまた、人々が多様な言語で完全なテキストをダウンロードできる非公式のファンページである「海賊コエーリョ」をつくることにした。私はこれまでにないほど多くの本を売り上げている。(それはどこですか?まあ、見つけるのは難しくはないです…)

D] どのようにしてそれらのソーシャルコミュニティーすべてが始まったのか?最初はただ他の人とチャットしたかったからだ。しかしチャットだけでは十分でない ー私たちは大好きな音楽、本や映画を共有する必要がある。それに対する法律がなかったころは、この情報は自由に交換された。最終的にエンターテイメント業界は捕らえられ、活気が失われ始めた。

E] アートはオレンジではない。
もしあなたがオレンジを買ってそれを食べるなら、もう1つ買う必要がある。消費者が商品を消費するので、オレンジは無料で与えることができないということは理にかなう。音楽は美に関係するものだ。私がページを訪れて音楽を気に入ったら、私はCDを買うと確信する。なぜならば私はそのアーティストの作品についてもっと知りたいからだ。

F] 女性が市場へ行ってふたつの壷を見た。
彼女は売り主に値段を尋ねた:
「硬貨10枚です」と彼は答えた。
女性は驚いた:
「でも、壷の1つはアーティストがペイントしていますよ。」
売り主は答えた:
「私は壷を売っているのです。美は値段をもっていません。」

 

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