「オーム」の音 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより
「オーム」の音
２００８／４／１８
パウロ・コエーリョ
以下は、レーヌ・ウィリングが私に送ってくれた興味深い記事だ。
ヒンズー教によれば、全宇宙は「オーム」の音から始まった。新しい発見はそれを裏付けているようだ。
地球は、人間の耳でまったく聴き取れない無数の絶え間ないハム音を発する。巨大で、非常に静かな交響曲のように。
しかし、この音の発生源は謎のままだ。
現在、このハム音から予想外の力強い音が見つかっている。これらの新しい発見は、この謎の発生源を明らかにする可能性がある。
地震で地面が揺れていないときも、地球は人間の可聴域をずっと下回る一定の振動を発している。（それによって耳鳴りと関連した耳の中で鳴る音は発生しない。）
この音は、１０年前に初めて発見され、科学機器である「地震計」でのみ検知出来る。研究者はそれを地球のハム音と呼んでいる。
この雑音は、海流かおそらく大気流のうねりから来ているのではないかと調査員は考える。
科学者はさらなる調査のため、ドイツのシュバルツバルト天文台の非常に静かな地球観測研究所からのデータを、日本と中国からの支援データと共に分析した。
異なる型
過去に研究者が見つけた、このハム音を構成する振動は、「回転楕円体」だった。それらは基本的にはほとんど検出不可能なほどだが、上下する岩のパッチに含まれていた。
最近、ハム音を構成する振動が発見されたが、奇妙なことに、おおむね指輪のような形をしている。
できれば想像して欲しい。怠惰なハリケーンかなにかのように、地球の上層を横切り、岩の中で環状になってねじれている地鳴りを。
科学者は、実際にこの種の振動を発見することを予期していたが、驚くべきことにその新しい環状の波は回転楕円体の波と同じ位に強力だ。予想としては、それが比較的弱いことだった。
新しい考えかた
この発見により、地球のハム音の原因を大幅に再考することを研究者は余儀なくされる。
回転楕円体の振動は、いわば海や大気の波からの圧力などの地球を押し下げる力によって引き起こされる可能性があるが、
ねじれた環の現象は、海や大気、もしかしたら太陽のような、世界の表面を横切る力によって引き起こされる可能性がある。
ハム音のこの部分の将来の調査は難しいということがわかるだろう。
ドイツのシュタットガルト大学の地質学者で研究者のルドルフ・ウィドマー・シュナイドリッグが「これは測定が困難な非常に小さな信号であり、励起はおそらく複雑なシステムの複数の相互作用によるものだろう」と言うように。
それでも、この音をより良く理解できれば、陸、海、大気すべてがどのように相関しているかということを明らかにできるだろう、と彼は付け加えた。
研究者ディエテール・クルレとウィドマー・シュナイドリッグは、３月２０日の調査の詳細をthe journal Geophysical Research Lettersに載せた。
（ソース：チャールズ・Q・チョアー LiveScience専属）
