白い部屋

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ナスラッディンと卵 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

ナスラッディンと卵
2008/3/14
パウロ・コエーリョ

ある朝、常に狂ったフリをする偉大なスーフィーの神秘家であるナスラッディンは、卵を布に包み、街の中央広場に行き、そこにいる人々を呼んだ。

「今日は重要なコンテストがありますよ!」と彼は言った。
「この布の中にあるものを見つけた人は、中の卵を貰えるよ!」

人々は目配せして策を企て、そして答えた。

「分かるはずないじゃないか。誰も予言する力は持っていないのだから。」

ナスラッディンは力説した。

「この布の中にあるものは、黄身のように黄色い中心で、卵白のような透明な液体に囲まれていて、今度はとても壊れ易い殻の中に入っています。それは豊かさの象徴で、巣に飛び帰る鳥を私たちに思い出させる。それで、ここに隠されているのが何か言える人は誰ですか?

全員がナスラッディンが卵を持っていると思っていたが、答えは非常に明らかで、他の皆の前で恥をかきたくなかった。

もし卵でなく何かもっと重要なもの、想像力に富むスーフィー神秘家の想像の産物だったら?黄色い中心は太陽を示し、囲んでいる液体は錬金術師の調合薬かもしれない。いや、狂った男は、明らかに誰かを馬鹿にしようとしているのだ。

ナスラッディンはさらに2回尋ね、あえて愚かなことを言う者は誰もいなかった。

それで、彼は布を取って卵を皆に見せた。

「あなた達は皆、答えを知っています。」と彼は言った。
「そして誰も敢えてそれを言葉にしないのです。」

「これが危険を冒す勇気のない人々の人生です。解決法は神が寛大に供給しているのに、人々は常に複雑な説明を探し、何もしないまま終わってしまうのです。」

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