白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

文学と成功 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

文学と成功
2014/6/4
パウロ・コエーリョ

ノーベル賞をとった大江健三郎はかつて、あなたが文学の錬金術の秘密を発見したと言いました。その秘密を学ぶことに関心のある若い作家がいることを私は確信しています。
それを私たちと共有していただけませんか?(バレリー・ペイロ、フランス)

ー米国やフランスの平均的な本の印刷数は約3000部で、ブラジルと同じである。従って、私が知っている唯一の秘密は口コミだ。
例えば、私がニューヨーク・タイムズ誌のベストセラーリストに載るには10年近くかかった。
(だが現在、ほぼ4年間でその本はあらゆる記録を更新している。)

慣例的には:マーケットだけを考えて自分を表現しようとする作家は、一度は成功した本を持つかもしれない。だが、その人はたぶん同じ成功を繰り返さないだろう。その成功は作家が文学から生計を立てることを許可しないだろう。

私の場合、私は自分がやるべきたったひとつのことをやった。もしくは、自分自身をもっと良く知るために文章を用いた。公式を探し求めることなく自分自身に忠実であり続ける限り、読者もまた忠実であり続ける。

例えば、私の2冊の本はうまく売れなかった。それは、「第五の山」と「The winner stands alone(勝者はひとり立つ)」だ。
だが、過去に戻れるとしても、私はその2冊を書いただろう。なぜなら、それらの本は悲劇と名声について私が感じることを表現しているからだ。

文学は批評からさらに遠ざかった。まさに、批評がより伝統的ではなく反動的になったからだ。このように、文学批評は、売る力も売れないようにする力も持っていない。

一方、読者は現実をより注意深く見ていて、自分の心の声や現状を反映するものならなんでも買う。

あなたは書く必要があるから書くのだ。本の経歴はあなたのコントロールを越えている。

 

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