白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

違うふうに旅すること - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

違うふうに旅すること
2006/5/9
パウロ・コエーリョ

旅は私にとって最高の学習方法だということに、私は非常に早く気がついた。私は今でも巡礼者の魂を持っていて、このブログを使って、自分が学んだいくつかのレッスンを伝えたいと考えた。それらが、私のような巡礼者にとって役立つことを証明するかも知れないという希望を持って。

1、博物館を避けよう。これはばかげたアドバイスに思えるかも知れないが、それについて少しだけ考えてみよう。:あなたが見知らぬ町にいるなら、過去を探し求めるよりも、現在の方がはるかに面白いと思いませんか?人々が博物館に行くことを義務のように感じるのは、旅行することは文化を見つけ出すことだと、単にこどもの頃に学んだからだ。博物館はあきらかに重要だが、それは時間と客観性を必要とする。あなたはそこで見たいものを知っている必要があり、そうでなければ、いくつかの本当に基本的な物事を見たつもりで去るが、それらが何だったか思い出せない。

2、バーをぶらつこう。バーは、博物館とは違って、町の生活が顕われる場所だ。バーとはナイトクラブのことではなく、普通の人々が行き、酒を飲み、天気を考察し、いつでもお喋り出来る場所だ。新聞を買って人々の満ち引きを楽しもう。誰かが会話を始めたら、どんなに馬鹿げていても参加しよう。門のところで眺めているだけでは、特定の道の美しさは判断出来ないのだから。

3、オープンになろう。最高の旅行ガイドは、その場所に暮らし、すべてを知っていて、自分の町を誇りに思っているが代理店の仕事をしていない人物だ。通りに繰り出し、話したい相手を選び、何か質問しよう(大聖堂はどこですか?郵便局はどこですか?)。それで何もなければ、別の人にも試してみよう。最終的には素晴らしい仲間がみつかることを私が保証する。

4、1人で、または、結婚しているのなら配偶者と旅行してみよう。それはより難しい作業になるだろう。世話をしてくれる人が誰もいない。だがこの方法で初めてあなたは自分の国を本当に離れることが出来る。集団での旅行というのは、母国語を喋り、群れのリーダーがしろと言うことをし、訪れている場所よりもグループのうわさ話に興味を持ちながらも、外国にいるというやり方だ。

5、比較はやめよう。何も比較してはいけない。料金、衛生基準、生活の質、輸送手段など何も!あなたは自分が他の人々より良い暮らしをしているのを証明するために旅行するのではない。あなたの目的は、他の人々の暮らし方、彼らが教えてくれること、彼らの現実と非現実とのつきあい方を見つけることである。

6、誰もがあなたを理解しているということを理解しよう。言葉が話せなかったとしても怖れないで。:私は言葉が全く通じない多くの場所に行ったことがあり、常に援助、案内、有用なアドバイス、ガールフレンドまでも手に入れた。1人で旅行すれば、通りから外れて永遠に迷ってしまうと考える人もいる。ただホテルのカードをポケットに忘れずに持ち、もし最悪の事態になれば、タクシーを止めて運転手にカードを見せるだけだ。

7、買い物はほどほどに。運ぶ必要のないものにお金を使おう。たとえば、良い演劇のチケットや、レストラン、遠出等。最近では、グローバル経済とインターネットで、荷物の過剰料金を支払うことなく欲しいものを何でも買うことができる。

8、1ヶ月で世界を見ようとするのはよそう。1週間で5つの都市を訪問するよりは、ひとつの都市に4、5日滞在する方がはるかに良い。町は気まぐれな女性のようだ。彼女が誘惑されて自分を完全にさらけ出すには時間がかかるのだ。

9、旅は冒険だ。ヘンリー・ミラーはこう言っていた。ローマに行って、20万人の旅行者が大声を上げるシスティーナ礼拝堂を訪問する義務を感じるよりも、誰も聞いたことがないような教会を発見する方がはるかに重要だ、と。何としてでもシスティーナ礼拝堂に行きなさい、でも通りも散歩し、鉄道を探検し、何かを探す自由を経験して下さい。あなたが全く知らないこと、でもそれを見つければ、あなたは確実に、人生を変えるような何かを。

ポルトガル語からの翻訳:Margaret Jull Costa

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