白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

熊野への道 3/5 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

熊野への道 3/5
2008/4/10
パウロ・コエーリョ

木に寄りかかる

修験道について聞いたことはありますか?私は、それが自然との愛と痛みの関係だと教えられました。カツラが紹介してくれて、今私と一緒に山々を歩いている生物学者に私は言った。

彼は答えた。
修験道とは、「経験を蓄積する技法」です。

それで、彼がその地域のさまざま昆虫以外にも興味を持っていることが明らかになった。

ー体を鍛え、自然が提供するべきすべてを受け入れる。このようにして、あなたは、神が提供するべきもののために魂も教育するでしょう。周りを見て下さい。自然は女性で、すべての女性のように、彼女は異なるやり方で私たちに教えをくれます。背骨でその木に寄りかかって下さい。

彼は、太いロープが巻き付けられた樹齢2000年の杉の木を指し示した。その地域の宗教では、ロープで巻かれたものは全て、創造の女神の特別な化身で、聖地と考えられている。

ー生きているものは全てエネルギーを持っていて、このエネルギーは伝達します。あなたの背骨を幹に当てれば、木に住む精霊があなたの精神に語りかけ、どんな苦悩も静めてくれるでしょう。生物学者としては、もちろん、熱を発散して云々…と私は言いますが、祖先の魔法の説明に真実があることも知っています。

私は目を閉じ、樹液が根から正確に葉っぱまで上がっているところを想像してみる。この動きをすることで、周りの全てに影響するエネルギーの波を引き起こした。

生物学者の声が語っているのが聞こえる。1185年、ふたりの武士が、日本で権力を巡って激しい闘いをした。熊野の為政者は誰が勝つのか分からなかった。自然が常に答えを持っていることを確信し、彼は赤い雄鶏7羽を白い雄鶏7羽と戦わせた。白い方が勝ち、為政者は武士の1人を支援し、それは正しい選択だった。まもなく、その武士は国を治めたのだ。

ーでは、教えて下さい。:為政者の支援と、自然を代弁し、誰が権力を制覇するかを教える神聖な前兆を示した雄鶏、どちらが勝負を決めたと信じることを選びますか?

私は答えた。
ー私は前兆を信じます。

心の中で、快適な植物の状態を去り、私は目を開ける。

ー熊野への神聖な旅は、仏教が日本に紹介されるより遥か前に始まりました。その人の周りの全ての物事との『融合』が、真の婚姻関係のようなものに違いないという考え方を、今日に至るまで、代々受け継ぐ男女がいます。つまり、喜び、苦しみを与えても、常に一緒にいるというような結婚の姿です。彼らは、修験道を用い、怖れず全体を与えることに到りました。

修験道の修行を教えて頂けませんか?私が知る唯一のものは、自分をロープで縛り、崖っぷちの岩に投げ出すことです。率直に言って、それをやる勇気は私にはありませんが。

ーなぜ学びたいのですか?

霊性には、必ずしも犠牲と痛みが伴うわけではないと私は常に信じていました。しかし、この旅で私が出会った人は、人は望むことではなく、必要なことを学ぶべきだと言いました。

ーそれぞれが、地球がその人に求める修行をします。千日の間、千回、この近くの山を登り降りした男を私は知っています。女神があなたに修験道の修行を望むなら、彼女があなたのやるべきことを教えてくれるでしょう。

彼は正しかった。翌日、それは起こった。

(つづく)

原文:http://paulocoelhoblog.com/2008/04/10/on-the-road-to-kumano-part-3-of-5/