２０秒の読み物：私たちはどれほど貧しいか - パウロ・コエーリョのE-CARDSより
拙訳
２０秒の読み物：私たちはどれほど貧しいか
２０１９／３／１１
パウロ・コエーリョ
ある日、とても裕福な家族の父が息子を田舎旅行に連れて行きました。
貧しい人々の暮らしを息子に見せることを決心したからです。
彼らはとても貧しいと思われる家族の農場で２昼夜を過ごしました。旅の帰り、父は息子に「旅はどうだったかい？」と尋ねました。
「素晴らしかったよ、お父さん。」
「貧しい人たちがどんな暮らしをしているかを見たかい？」父は尋ねました。
「はい。」息子は言いました。
「それなら教えておくれ。おまえは旅からなにを学んだのかな？」父は尋ねました。
息子は答えました。：
「僕たちは１匹犬を飼っていて、彼らは４匹飼っていた。
「僕たちは庭の真ん中まで届くプールを持っているけど、彼らは終わりのない小川を持っていた。
「僕たちは庭に輸入品のランタンを持っているけど、彼らには夜の星があった。
「僕たちの中庭は前庭の前まで届くけれど、彼らには地平線がある。
「僕たちは暮らすための小さな土地があるけれど、彼らには僕らの視界を越えた大地がある。
「僕らは食べ物を買うけれど、彼らは自分たちで育てる。
「僕らの財産の回りには僕たちを守るための壁があるけれど、彼らには守ってくれる友達がいる。」
父が言葉を失った。息子は言い添えた。：
「お父さんありがとう。僕らがどれだけ貧しいのかを見せてくれて。」
