白い部屋

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創造のプロセス - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

 

創造のプロセス
2007/1/11
パウロ・コエーリョ

すべての創造的なプロセスは、文学、工学、コンピューティングー愛においてすらーいつも同じルールを尊重する:これはそのプロセスに沿った段階のリストだ。

a] 畑を耕す:土がすき返された瞬間、酸素は以前できなかった場所に浸透する。畑は新鮮な外観になり、上にあった土がいまや下にあり、下にあった土が表面にでてくる。内面的な革命のこのプロセスはとても重要だ ーなぜなら、畑の新しい外観が初めて日光を見てそれに眩惑されるやいなや、私たちは価値観の新たな評価によって、純粋に頭を使うことなく人生を見る。このように私たちはひらめきの奇跡に備えることになる。良い創造者は彼の価値観を鋤き続ける方法を知るに違いなく、彼が理解していると信じるもので決して満足してはならない。

b] 種まき:すべての仕事は人生との交流の成果だ。創造的な人は象牙の塔に閉じこもることができない;彼は仲間と交流しておかなければならないし、彼の状態を共有しなくてはならない。彼は始め、将来どの事が彼にとって重要になるかを決して知らない。彼の人生がより激しいものになるほど、独自の言語のために彼はより多くの可能性を創造するだろう。ル・コルビュジエはこのように言った:鳥を手本にして飛ぼうと試みるのであれば、人は成功出来なかった。同じ事はアーティストにも当てはまる:彼は感情を翻訳するが、翻訳している言語を彼は完全には理解していない。そして彼がひらめきを模倣したり支配したりしようとしても、望むものを得る事は決して無いだろう。人生が彼の無意識の肥沃な土壌に種をまく事を、彼は許さければならない。

c] 成長:作品が、自由に作者の魂の底にそれ自身を書く、という時があるーそれがあえてそれ自身を見せるより前に。文学の場合には、たとえば本が著者に影響を及ぼし、逆もまた然り。それらは決して日の目を見るに値しないので、私たちは失われた句を取り戻そうとすべきではない、とブラジル詩人カルロス ・ドゥルモンド ・デ・アンドラーデが指すのはこの瞬間だ。成長期に無意識のうちに書かれたことを尊重することなく、彼らの頭に入ってくること全部を猛烈にメモする事に全時間を費やす人々を私は知っている。結果として、記憶の成果であるメモはひらめきの成果を妨げることになる。彼はーちょうど農夫の様にー彼の分野を部分的にしか制御していない事を知っているとはいえ、創造者は構想の時間を尊重するべきだ。;それは干ばつと洪水が起こりやすい。しかし彼が待つやり方を知っていれば、悪天候に抵抗することができるより強い苗木が偉大な力によって明かされるだろう。

d] 収穫:種をまき成長させたものを、人が意識的な平面上に明らかにする瞬間。彼が早く収穫すれば果実は青く、遅れて収穫すれば果実は腐っている。すべてのアーティストがこの瞬間の到来を認識する;いくつかの面は完熟していないかもしれず、いくつかのアイデアは明白でないかもしれないが、彼らは作品ができるにつれて自分自身を編成し直す。怖れはなくそして偉大な自制をもって、彼は作品が出来るまでは夜明けから夕闇まで働かなければならないと理解している。

そして、収穫の結果をどうするのか?私たちは再度母なる自然を見る:彼女はすべてを皆と分け合っている。彼の作品を自分のために取っておくことを願うアーティストは、彼がこの瞬間から受け取ったものにも、彼の祖先の遺産や教えにも、公平でない。もし穀物穀物貯蔵庫に貯蔵したままにしておけば、適切な時に収穫されたとしてもそれは悪くなるだろう。収穫が終わったら、怖れも恥ももたずに自分自身の魂を分け合う時が来る。

苦痛でも栄誉でもあるけれども、それがアーティストの使命だ。

原文:http://paulocoelhoblog.com/2007/01/11/the-creative-process/