花に学ぶ - パウロ・コエーリョのE-CARDSより
花に学ぶ
2008/2/6
パウロ・コエーリョ
●なぜ戦い続けるのか
読者のガーソン・ルイスは、ミツバチの仲間を切望していたバラの物語を語るが、彼女のところには誰もやって来ない。
そうであっても、花は夢を見る力を持ち続けている。完全に孤独だと感じたときに、彼女は自分にキスしに来るミツバチでいっぱいの庭を想像する。そのため、彼女は翌日までなんとか持ちこたえ、花びらを再び開く。
「疲れているのではないですか?」と誰かが彼女に尋ねたにちがいない。
「いいえ。私は戦い続ける必要があるのです」と花は返事した。
「どうしてですか?」
「咲かなければ私は枯れてしまうからです。」
●見る事を学ぶ
仏陀は弟子達を集め、彼らに蓮の花を見せた。
「私が手に持っているものについて、教えてもらいたいのです。」
最初の者は、花の重要性に関する全ての条約を与えた。
次の者は、その花びらについての素敵な詩を作った。
3番目の者は、例えとして花を使った比喩を発明した。
次はマハーカーシャパ(訳注:釈迦の十大弟子のひとり)の番だった。彼は仏陀に近づき、花の香りを嗅ぎ、花びらの1枚で顔を愛撫した。
「これが蓮の花です。」とマハーカーシャパは言った。
「神から生まれた全てと同じように単純です。そして、神から生まれた全てと同じように美しい。」
「あなただけが、私が手にしているものを見たのだ。」と仏陀は言った。
●賢者を探し求めて
カップルが、数日間ほとんど話をせずに旅した。ついに、彼らは森の真ん中に着いて賢者を見つけた。
「旅の間中、連れ合いは、私にほとんど何も言いませんでした。」と若い男は言った。
「沈黙のない愛は深みのない愛です。」と賢者は返事した。
「しかし、彼女は私を愛しているとさえ言わなかった!」
「それをいつも求める人もいる。それで私達は、彼らの言葉が本当かどうかわからなくなってしまう。」
3人は岩の上に座った。賢者は、辺り一面の花畑を指差した。
「自然は、神が我々を愛しているといつも繰り返して言うわけではない。だが、神が作った花を通して、私達はそれに気付くのだ。」
●花屋で
女性がショッピングモールを回っていたとき、新しい花屋のポスターに気がついた。入って、彼女は衝撃を受けた。;花瓶がなく、用意もなく、カウンターの後ろに立っていたのは神その人だったのだ。
「お望みのものがあれば何でも仰って下さい。」と神は言った。
「私は幸せになりたいです。平和とお金と、理解される才能が欲しいです。死んだら天国に行きたいです。そして、このすべてを私の友人にも与えてもらいたいのです。」
神は、後ろの棚にあったいくつかのポットを開け、中からいくつかの粒を取り出し、それを女性に手渡した。
「ここに種があります。」と神は言った。「それを植え始めて下さい。ここで果実は売っておりませんので。」