白い部屋

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盲目の男とエベレスト - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

盲目の男とエベレスト
2006/8/2
パウロ・コエーリョ

少しずつ、私たちは人生の同じメタファーに慣れていくようだ。
しばらく前、私はこのコラムに「山に登るためのマニュアル」というのを書き、思いがけず、人生の山登りについて私に体験をシェアしてくれることにしたハンブルグの読者に会う。彼は、私が宿泊しているホテルを発見し、私のインターネットのページの作りに対していくつか批評する。厳しいコメントをいくつかした後、彼はこう尋ねる。:

「ガールフレンドと一緒に写真を撮っても構いませんか?」

もちろん、構わない。彼は携帯を手に取り、何も言わずにボタンを押し、1分後に彼女のガールフレンドが現れた。

写真が撮られた後、次の質問が来て、これはもっと面白いものだった。:

「盲目の男はエベレストに登れますか?」

「登れないでしょう。」と私は答えた。

「なぜ『たぶん』と言わないのですか?」

私は「取り憑かれたような楽観主義者」の人種に属すると、ほとんど確信していた。私たちの夢が実現するために、全宇宙が協働してくれるが、死や予見できない失敗につながる可能性がある、絶対的に必要でない挑戦の前に自分を置くことは全く別だ。

私は、約束があるので行かなければならないと説明するが、読者は諦めない。

「盲目の人は、世界一高い(8,848m)エベレストに登れます。彼らはそれができるだけではなく、それをやった盲目の男を私は最低一人は知っています。彼の名前はエリック・ヴァイエンマイヤーです。約束は大丈夫ですか?」

名前を教えてもらったので、ここで面白い物語ができた。私の約束は、もちろん、まだ大丈夫だ。

「2001年、ヴァイエンマイヤーは功績を残した。一方で、人は、もっと良い車、もっと上品な服、能力に見合った報酬を提供されないことに不満を言う。」

「確かなことですか?」

「インターネットで調べてください。しかし、私を魅了したのは、ヴァイエンマイヤーが、自分の望むものを正確に知っていたことです。:彼は人生をあるべきと思った姿に変えました。宇宙が彼の願いに協働するために、全てのリスクを負う勇気を持っていたのです。」

私は同意する。私の態度など、もはや彼にとって関心がないかのように読者は続ける。:

「人生で欲しいものがわかっていたら、夢を実現するのに必要なもの全てをあなたは持ちます。あなたはご自分でそう書かれましたね?」

もちろん。しかし、そのような盲目の人々が地球上最も高い山に登るのには限度がある。

「人々が夢を持たなければ、彼らは何をすればよいのでしょう?」

「彼らがしたいことについて考えて、それから第一歩を踏み出します。」と私は答える。「失敗することを恐れず。彼らの行為を『心配』する人の気持ちを害することを恐れず。」

「それです!」と読者は言い、ただちに私の考えを明確に察知した。「ですから、私たちは、望むものに到達するには、リスクを冒さなければならないと認識しているのです。あなたの本に書きませんでしたか?」

そう書いただけではなく、私は自分の言葉を守り続けようとする。しかし、私たちの会話に邪魔が入る。ハンブルグに来る理由だった約束の時間がきたのだ。彼の心遣いに感謝し、私のインターネットのページへの提案を送ってくれるように頼み、もう一枚写真を撮ってさよならを言った。

午前3時、そのイベントから戻って来て、部屋の鍵を取り出そうとポケットに手を入れ、彼がその盲目の男の名前を走り書きしたメモを発見した。2、3時間以内にカイロに旅立つ必要があるとわかっていたが、私はコンピューターに向かった。そこにはこうあった。:

「2001年5月25日、32歳のエリック・ヴァイエンマイヤーは世界で最も高い山の頂上に到達した最初の盲目の人となった。元高校教師の彼は、身体的条件の限界を乗り越えた勇気に対し、ESPN賞およびIDEA賞を受賞した。エリック・ヴァイエンマイヤーは、エベレストに加え、アルゼンチンのアコンカグアタンザニアキリマンジャロなど、世界で最も高い他の7つの山にも登っている。」

信じられないなら、調べてみてほしい。

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