20秒の読み物:変化 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより
拙訳
20秒の読み物:変化
2018/12/29
パウロ・コエーリョ
トカゲのことを考えてください。
トカゲは生涯のほとんどを土の上で過ごします。鳥たちを羨み、自分の運命と姿形に憤りながら。
「ぼくは全ての中で最も嫌われている生き物なのだ。」とトカゲは考えます。
「醜く、不快で、地上を這うように運命付けられている。」
けれどもある日、母なる自然がトカゲに繭を作るように頼みます。
トカゲはドキリとしています。なぜかというと、今までに繭など作ったことがないからです。
トカゲは、作っているのは彼の墓で、死ぬための準備なんだと考えます。
それまでおくって来た人生は不満だけれど、トカゲは神様に不満を言います。:
「私がやっと物事に慣れたその時に、神様、あなたは少ししかないものを私から奪うのです。」
トカゲは絶望して繭に閉じこもり、最期を待ちます。
数日後、トカゲは美しい蝶に変わっていました。それは空を飛ぶことができ、おおいに称賛されています。
パウロ・コエーリョ著「マクトゥーブ」より