３０秒の読み物：ハリール・ジブランによる物語 - パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

３０秒の読み物：ハリール・ジブランによる物語
２０１７／９／１８
パウロ・コエーリョ

私が精神病院の庭を散歩していたとき、哲学の本を読んでいる若い男に出会った。

その振る舞いと明らかな健康のせいで、彼は他の患者たちより際立っていた。

私は彼の隣に座って尋ねた：

「ここで何をしているのですか？」

彼は私を見て驚いた。だが、私が医者でないとわかると彼は答えた：

「とても簡単なことです。父は立派な弁護士ですが、私が彼のようになるのを望みました。伯父は大きな百貨店を持っていて、私は彼の例に従うのを望みました。母は私に愛する父のイメージでいて欲しがりました。姉はいつも、成功した男の例として彼女の夫を私の前に置きます。兄は私を彼のような優れた運動選手に鍛えようとしました。

学校でも、同じことが起こりました。ーピアノ教師、英語教師とです。彼らこそ従うべき最高の例であるということを、彼等は皆確信を持って決定しました。誰かが人を見るべきようには誰も私を見ずに、鏡を見ているかのように見るのです。

だから私はこの病院に入ることに決めました。少なくともここでは、私は自分自身でいられるのです。」

原文：http://paulocoelhoblog.com/2017/09/18/a-story-by-kahlil-gibran/