白い部屋

あなたと宇宙を泳ぐ

時間のシフト その1- パウロ・コエーリョのE-CARDSより

拙訳

 

時間のシフト その1
2016/8/29
パウロ・コエーリョ

私はステファン・レヒトシャッフェンと電子メールでたくさん文通する。彼はニューヨークで成功を治めたオメガ研究所を設立した医師だ。私は講演をするためそこに招待されたが、土壇場でキャンセルしなければならなかった。
それからステファンと私は、オーストリアのビエナで会談する連絡を受け、この時は彼らがばかばかしいほど高い料金を請求している事がわかったので、私はキャンセルすることにした。
それらの騒動は結局、(私を彼から引き離す代わりに)私たちをより近くに引き寄せることとなった(世界には非常に奇妙な状況がある)。

それらのやりとりのひとつで、彼は自分の本を送るつもりだと私に言った。ある午後私はそれを読み、さらに何度か読み返した。私たちは皆が毎日の生活で、このテーマを常に問題としているからだ。文章の中でステファンは、以下に挙げたいくつかのコメントを提供した(コラムのサイズを考慮して編集している)。

時間は量ではない:むしろ質だ。過去を見るとき私たちはテープを巻き戻しているのではなく、地上で私たちが通って来た道の贈り物を思い出している。道路を測るように時間は測られない。なぜなら、私たちは後ろ(記憶)や前(計画)に大きな飛躍をするのだから。

管理することは生きていないこと:「時は金なり」というのは無意味だ。私たちは各瞬間を認識しているべきで、私たちが(愛を持って)していることはなにか、またはただ人生を観察しているその各瞬間を活用する方法を知っておくべきだ。一日は24時間と無限の瞬間を持つ。ペースを落とせば、なにもかもはとても長く続く。もちろん、皿を洗うのにより長くかかる可能性もあるが。その時間を楽しいこと、歌うこと、遊ぶこと、ただ生きていて幸せでいることについて考えるために使おう。

人生にチューニングを合わせて:かつてアーサー・ルビンスタイン(20世紀で最も偉大なピアニストのひとり)に、ある熱狂的なファンが尋ねた:
「どうやってそれほど熟達して音符を使えるのですか?」
ピアニストは答えた:
「私は他の人と同じやり方で音符を使いますが、休符は…ああ!それがアートがある場所です。」
私の離婚の過程は極めて痛みを伴い、忙しくし続ける事で私は困難なときをなんとか乗り越えられると考えた。しかしそれは想定通りではなかった。なぜなら私は自分の魂の痛みを見ることができなかったからだ。あるときから私は「休符を使い」始めた。 ー座って、痛みが来て、私に届き、そして過ぎ去った。少しずつ私は人生を再構築し、別れの理由をよりよく理解した。今日、私の元妻はオメガ研究所で一緒に働いている。ーなぜなら私は、仕事の後ろにただ隠すのではなく、痛みに向き合うことができたからだ。

(その2へ続く)

原文:http://paulocoelhoblog.com/2016/08/29/timeshifting-part-1/